○黒滝村認知症総合支援事業実施要綱

平成30年3月30日

要綱第5号

目次

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 認知症初期集中支援推進事業(第9条―第17条)

第3章 認知症地域支援・ケア向上事業(第18条―第21条)

第4章 雑則(第22条・第23条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第115条の45第2項第6号の規定に基づき、本村が実施する黒滝村認知症総合支援事業の実施について必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱における用語の意義は、法、介護保険法施行令(平成10年政令第412号)、介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号。以下「省令」という。)、介護予防・日常生活支援総合事業の適切かつ有効な実施を図るための指針(平成27年厚生労働省告示第196号)、介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインについて(平成27年6月5日老発0605第5号厚生労働省老健局長通知)及び地域支援事業の実施について(平成18年6月9日老発第0609001号厚生労働省老健局長通知)の例による。

(事業)

第3条 村長は、黒滝村認知症総合支援事業として、次に掲げる事業を行うものとする。

(1) 認知症初期集中支援推進事業

(2) 認知症地域支援・ケア向上事業

(3) その他認知症の人及びその家族(以下「認知症者等」という。)に対する支援に関し必要な事業

(実施主体)

第4条 この事業の実施主体は、黒滝村(以下「村」という。)とし、前条の事業の全部又は一部について、省令第140条の67の規定に基づき、村長が適当と認める者に委託(以下「事業委託」という。)することができる。

2 村長は、前項の規定により事業委託を受けた者(以下「委託法人等」という。)の行う事業について、適切な運営が確保されないとき、又はそのおそれがあると認めるときは、当該契約を解除するものとする。

3 事業委託の内容及び範囲は、別に定める。

(認知症支援推進検討委員会)

第5条 村長は、第3条に規定する事業の内容を円滑に推進するため、黒滝村認知症支援推進検討委員会(以下「検討委員会」という。)を設置する。

2 検討委員会は、次に掲げる事項について検討を行うものとする。

(1) 認知症者等の地域における支援

(2) 認知症に関する関係機関との連携に関すること

(3) 認知症初期集中支援チームの活動状況の評価に関すること

(4) その他認知症施策に関すること

(検討委員会の参加者)

第6条 検討委員会は、委員12名以内で組織し、委員は、医療、保健又は福祉に携わる関係機関の職員、地域の社会資源や地域における相談業務を行う関係者等のうちから村長が委嘱し、又は任命する。

2 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を防げない。

3 委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(運営方法)

第7条 検討委員会に委員長及び副委員長を置き、委員長は、委員の互選によりこれを定め、副委員長は、委員長が指名する委員がその職務を行う。

2 委員長は検討委員会を代表し、会務を掌理する。

3 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、その職務を代理する。

4 検討委員会の会議は、村長が必要に応じ招集し、委員長が議長となる。

5 委員長が必要と認めるときは、委員以外の者を会議に出席させ、又は委員以外の関係者に意見を聞くことができる。

6 委員長が必要と認めるときは、一部の委員及び関係者による会議を開催することができる。

7 会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(会議の庶務)

第8条 会議の庶務は、保健福祉課において処理する。

第2章 認知症初期集中支援推進事業

(目的)

第9条 村長は、認知症になつても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができる社会の実現を図るため、黒滝村認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする認知症初期集中支援推進事業を行うものとする。

(支援チームの配置及び役割)

第10条 支援チームは、地域包括支援センター等に配置することとし、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が、認知症が疑われる人又は認知症の人(以下「訪問支援対象者」という。)及びそれらの人の家族に対し、訪問、観察・評価、家族支援等の初期の支援を包括的かつ集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。

2 支援チームは、地域包括支援センター職員、かかりつけ医、認知症サポート医、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師、介護事業者等との連携を常に意識し、情報が共有できる仕組みを確保する。

(支援チーム員の構成)

第11条 支援チームは、専門職2名以上及び専門医1名以上の計3人以上の認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)で構成し、チーム員は、村長が委嘱し、又は任命する。

2 前項の専門職は、次の各号のいずれにも該当する者とする。

(1) 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、'作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指庄師、はり師、きゆう師、柔道整復師、栄養士、精神保健福祉士、介護支援専門員又はこれらに準ずる者であり、かつ、認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有すると村長が認めた者

(2) 国が定める認知症初期集中支援チーム員研修を受講した者(以下「研修受講者」という。)又は研修受講者と当該研修の受講内容を支援チームで共有する者

3 第1項の専門医は、次に掲げる各号のいずれかに該当する医師等とする。

(1) 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかであつて、かつ、認知症サポート医である者

(2) 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかであつて、かつ、今後5年間において認知症サポート医研修を受講する予定のある者

(3) 認知症サポート医であつて、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有し、かつ、認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図つている者

(チーム員の役割)

第12条 前条第2項を満たす専門職は、目的を果たすために訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行う。

2 前条第3項に規定する専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的見識から指導・助言等を行う。また、必要に応じてチーム員とともに訪問し相談に応需する。

(チーム員の任期)

第13条 チーム員の任期は、3年とする。ただし、再任を防げない。

2 チーム員が欠けた場合における補欠のチーム員の任期は、前任者の残任期間とする。

(訪問支援対象者)

第14条 訪問支援対象者は、村内に居住し、原則として、40歳以上で、在宅で生活しておりかつ認知症が疑われる人又は認知症の人で次のいずれかの基準に該当する者とする。

(1) 医療サービス、介護サービスを受けていない者、又は中断している者で次に掲げるいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結び付いていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス、介護サービスを受けているが認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(訪問の方法等)

第15条 訪問支援対象者及びその家族を訪問する場合のチーム員の人数は、初回の観察・評価の訪問時は、原則として、医療系職員と介護系職員それぞれ1名以上の計2名以上とする。

2 訪問支援対象者及びその家族の訪問に係る観察・評価票の記入は、原則として、チーム員である保健師又は看護師が行うものとする。ただし、チーム員でない地域包括支援センター、認知症疾患医療センター等の保健師又は看護師が訪問した上で記入を行うことを妨げない。

(事業内容)

第16条 認知症初期集中支援推進事業の内容は、次に掲げるとおりとする。

(1) 支援チームに関する普及啓発

(2) 認知症の初期集中支援の実施

 訪問支援対象者の把握

 情報収集及び観察・評価

 初回訪問時の支援

 専門医を含めたチーム員会議の開催

 初期集中支援の実施

 引継ぎ後のモニタリング

 支援実施中の情報の共有について

(3) 医療機関、関係機関との連携及び情報の共有に関する事業

(活動状況の検討)

第17条 検討委員会は、支援チームの活動状況を評価するものとする。

第3章 認知症地域支援・ケア向上事業

(目的)

第18条 村長は、認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、必要な医療、介護及び生活支援を行うサービスが有機的に連携したネットワークを形成し、認知症の人に対して効果的な支援が行われる体制を構築するとともに、地域の実情に応じて、認知症ケアの向上を図ることを目的とする認知症地域支援・ケア向上事業を行う。

(推進員の配置及びその役割)

第19条 村長は、本村における医療機関、介護サービス及び地域の支援機関の間の連携を図るための支援、認知症者等を支援する相談業務等を行う認知症地域支援推進員(以下「推進員」という。)を地域包括支援センター等に配置するものとする。

2 推進員は、次の各号のいずれかの要件を満たす者とする。

(1) 認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有する医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看講師、・理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師、栄養士、精神保健福祉士又は介護支援専門員

(2) 認知症介護指導者養成研修修了者等前号に掲げる者以外のもので認知症である者の介護又は医療における専門的知識及び経験を有する者として村長が認めた者

3 村長は、必要に応じて県内の市町村、奈良県その他関係機関と連携及び協力を行い、研修会、関係者によるネットワーク会議等の機会を通じて、推進員の活動を行う上で有すべき知識の確認と資質の向上に取り組むものとする。

(推進員の業務内容)

第20条 推進員の行う認知症地域支援・ケア向上事業の内容は、次に掲げるとおりとする。

(1) 認知症の人に対し、状態に応じた適切なサービスが提供されるよう、地域包括支援センター、認知症疾患医療センターを含む医療機関、介護サービス事業者や認知症サポーター等地域において認知症の人を支援する関係者の連携を図るための取組

(2) 認知症地域支援推進員を中心に地域の実情に応じて、地域における認知症の人とその家族を支援する相談支援や支援体制を構築するための取組

(3) 次に掲げる事業の実施に関する企画及び調整

 病院、介護保険施設等で認知症対応力向上を図るための支援事業

 地域密着型サービス事業所、介護保険施設等での在宅生活継続のための相談・支援事業

 認知症の人の家族に対する支援事業

 認知症ケアに携わる多職種協働のための研修事業

(4) その他地域における連携及び支援体制に関し必要なこと。

(任期)

第21条 推進員の任期は、2年とする。ただし、補欠の推進員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 推進員は、再任されることができる。

第4章 雑則

(秘密の保持)

第22条 医療機関等、推進員、認知症サポート医その他事業に従事する者は、事業に関し知り得た個人に関する情報その他の秘密事項を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(その他)

第23条 この要綱に定めるもののほか、必要事項は、村長が別に定める。

(施行期日)

この要綱は、平成30年4月1日から施行する。

(平成31年要綱第1号)

この要綱は、公布の日から施行し、平成30年4月1日から適用する。ただし、委員の任期については、第6条第2項の規定にかかわらず、平成30年4月からの任期に限り2年4ヶ月とする。

黒滝村認知症総合支援事業実施要綱

平成30年3月30日 要綱第5号

(平成31年2月1日施行)